保護者の方へ -Kodomo2.0からの提案-

 インターネットや携帯電話に代表されるICT技術は、正しく使用すれば私たちの生活を豊かで便利なものにしてくれますが、使い方を誤ると生活や生命を脅かすことになりかねません。これは、自動車や刃物など人が生み出した全ての「道具」に共通することです。  
 また、道具を正しく使えるようになるためには、技術的にもモラルの面からも、それなりの練習と学習が必要です。例えば、自動車であれば自動車学校や教習所で学習したり練習したりすることができますし、刃物に関しては大人が子どもに使い方を指導することもできます。
 しかしICT技術に関しては、学習機会が限定的で、その内容も技術的な面に偏りがちです。加えて私たち大人は、この問題に関して子どもたちに「何を」「どのように」伝えていくべきかという明確な解答を持ちあわせていないと言うのが偽らざる現状です。それどころか、子どもたちを取り巻くネット環境は望ましいものとは言えず、子どもたちへの対応が喫緊の課題となっています。
 そこで私たち「Kodomo2.0」は、子どもたちのネット環境を守るために、保護者の皆様へ以下の4点を提案します。

1 ネットに関する大きな誤解を解きましょう

1)インターネットは匿名というのは誤解

 子どもたちの多くは、ネット世界は匿名で発言できると思っています。しかし現在のネット世界は、警察などの捜査権を有する人にとっては、匿名性の高い世界ではありません。その証拠に昨年、ネット上で犯罪予告を行った多くの青少年や成人が補導されたり、逮捕されたりしています。ネット上で愚かな行いをすれば、現実世界でも検挙される可能性があることを子どもたちに伝えてください。

2)バーチャルは想像の世界ではない

 インターネットの世界はバーチャルな世界で、現実とはかけ離れた世界のように考えられています。インターネットは仮想世界なので、放っていても大きな影響がなさそうだと言うことで対策が遅れがちになります。しかし「virtual」とは、本来「事実上の、実質上の」という意味で、「目には見えないけれど、存在する」ものに使われる言葉です。人の発する「言葉」が目には見えなくても存在し、私たちの精神に大きな影響を与えるように、インターネットの世界の出来事も目には見えませんが、私たちの精神世界や現実世界に大きな影響を与えます。ネット上で取引を行えば、金銭支払いの義務が生じますし、無責任な発言を行えば責任を問われます。
 つまり、インターネットの世界は、私たちの現実の一部なのです。インターネットだからと気軽に考えるのは危険です。そのことを子どもたちに伝えたいと思います。
この点については、私たち大人も考えを改める必要があります。子どもたちの交通事故が増えれば子どものヘルメット着用が真剣に論議されるように、今こそインターネットの問題に真剣に取り組む時だと考えます。

3)発言は消えると言う誤解

 ネット上で不用意な発言や発信を行う子どもたちの多くは、ネット上の発言や発信は簡単に削除できると考えています。これは一見正しそうに思われますが、検索エンジンのキャッシュに残っていたり、サーバにバックアップとして保存されていたりします。ましてや他人のパソコンにデータ保存されていたら手の施しようがありません。更にインターネットの世界には、定期的にデータを保存している団体があり、誰もが簡単に過去のデータにアクセスすることができます。全てのデータが保存されているわけではありませんが、運悪く保存されてしまっていたら削除依頼は全て英語で行う必要があり、煩雑な作業となります。
 インターネット上での発言や発信は、慎重に行う必要があることを伝えましょう。

2 技術的なインデックス情報を獲得しましょう

 ことICT技術に関しては、子どもたちの方が技術的に優れているケースが多く、大人は自信を失くし無くしがちです。その上どんなアドバイスを行えばよいのか判らないことも手伝って、インターネットの使い方に関しては口出ししにくいと思っている保護者の方が多いのではないでしょうか。しかし「1の2)」で申し上げたようにインターネットの世界も現実世界の一部と考えれば、皆さんの経験が生かせるはずです。ネットだからと特別視するのではなく、コミュニケーションの一種に過ぎないと考え、人との接し方や社会生活におけるマナーやルールを教えてください。
 技術的な問題に関しても、ご自身が詳しくなくても大丈夫です。技術的なサポートやアドバイスをしてくれる友人を作ることから始めてはいかがでしょう。あなたの周りにもネット事情に詳しい人が必ずいるはずです。相談できる人が身近にいると言う安心感が大切です。もちろん公的機関もアドバイスしてくれるでしょうが、公的機関を頼るほどではないような小さな不安を解消していく過程で、あなたも少しずつ詳しくなっていけるでしょう。「Kodomo2.0」では、2008年度、日新小学校PTAと協力して、ICT関連の「ちょっとした相談」にのってくれる「地域の頼みの綱」を育成する活動に取り組みました。
もちろん他地域からも要請があれば、できるだけ協力させていただきます。

3 フィルタリングはシートベルトやヘルメットと考えましょう

 全ての携帯電話・PHS事業者各社は既存の契約者で、アクセス制限サービスを未契約の18歳未満のユーザーに対して、2008年10月よりアクセス制限サービス利用意向の確認作業を開始しました。親権者から「不要」などの申告がなければ、2009年1月下旬~2月にかけてアクセス制限が順次設定される予定です。18歳未満の携帯電話やPHS使用に関してはフィルタリングが本格的に普及されることになり、喜ばしいことです。
 ただし過信は禁物です。フィルタリングは車のシートベルトやバイクのヘルメットと同じです。しているからと言って事故に遭わないわけではありません。携帯電話等の使用に関する子どもたちへの教育を続けることが大切です。また、パソコンのフィルタリングに関しては、まだまだ家庭まかせになっています。自分の子どもを守るのは、保護者の責任です。

4 被害にあった時・加害事案が発生した時の相談場所を知りましょう

 どんなに気をつけて運転していても、残念ながら事故に遭う確率は「0」にはなりません。道具を利用する限りリスクは伴うものです。大切なのは、万が一トラブルに巻き込まれた時に相談する相手を見つけることです。幸い公的機関が様々なトラブルの相談に乗ってくれます。
 例えばインターネット上で人権侵害事案が発生した時は、法務省の人権擁護機関である全国の法務局・地方法務局が人権侵害を受けた被害者からの相談を受け付け、プロバイダ等への発信者情報の開示請求や人権侵害情報の削除依頼の仕方について助言を行ってくれます。法務省ホームページはインターネット人権相談受付窓口を設置していて携帯電話でも相談できるので、もしもの時は相談してください。また佐賀県には「佐賀県人権啓発活動ネットワーク協議会」と言う機関があり、ここのホームページには、県内各地の相談窓口を紹介しています。
 また経済的な問題には、消費生活センターが相談に乗ってくれます。佐賀県が設置している「佐賀県くらしの情報」(くらしの安全安心課消費生活担当のホームページ)に各地の消費生活センターの連絡先が掲載されているので、参考にしてください。
もちろん刑事事件に関しては、佐賀県警察本部が相談を受けてくれますが、お近くの警察署でも相談できるので困った時は相談しましょう。
 いずれのケースも一人で抱え込まないことが大切です。もし、公的機関に頼るほどでもないけれど、どこかに話を聞いてほしいと言うことがありましたら、私たち「Kodomo2.0」にご連絡ください。

相談窓口のご案内

さが市民活動サポートセンター (Kodomo2.0窓口)
担当:江口まで TEL:080-3992-7939
メール:info@kodomo2.0saga.net

佐賀県人権啓発活動ネットワーク協議会のホームページ
http://www.jinken.go.jp/saga/saga_index.html

佐賀県警察本部
http://www.saganet.ne.jp/kenkei/

佐賀県くらしの情報(くらしの安全安心課消費生活担当のホームページ)
http://www.pref.saga.lg.jp/at-contents/kurashi_anzen/shohi/kurashinoanzen/index.html

法務省インターネット人権相談受付窓口
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken113.html